互助会って時代遅れなの・・・?
こんにちは、三輪あや子です。
これまで葬儀は冠婚葬祭互助会に頼むものでしたが、今は葬儀社もいろいろと新しく登場しています。
そんな中、互助会の葬儀はシステム的に「時代遅れ」「制度的に古い」という言葉を耳にします。
実際はどうなのでしょうか?
ここでは、葬儀の互助会が生まれた背景と、そのサービスの今と昔の違いなどを解説していきます。
- 葬儀の互助会ができた背景とは
- 葬儀の互助会の特徴とは
- 葬儀の互助会サービスの変化とは
互助会の葬儀を考えている方は、参考にしてください。
葬儀の互助会はこうして生まれた
互助会が誕生したのは、戦後ということで、それほど古い制度でもないようです。
また、それまでは棺屋さん、輿屋さんというように、バラバラだった葬具屋さんを一つにまとめたような葬儀社が生まれたのも、大正~昭和初期の頃です。
この頃、社会の変化と伝統とが折り合いつかなくなり、結局、伝統が負けて大きく変化します
葬式だけは村八分になっても助け合い?
昔は、一定の年齢になれば年頃の男女は、周囲の世話で結婚するものであったし、家族の誰かが亡くなれば、ご近所中(隣組)が助け合って役割分担して、きちんとお葬式を行っていました。
このお葬式だけは、たとえ村八分にされた家(人)であっても放置されることはなく協力してもらえていました。
ちなみに、村八分の残り二分っていうのは、お葬式と火事の消火活動のことです
それだけは助けてもらえたんだナ
ま、疫病と延焼を防ぐためには、放置できないってのが理由なんだけどね
葬式もできなくなった敗戦後の日本
ところが、日本は第二次世界大戦で壊滅的なダメージを負い、京都を除いて、主要都市のほとんどが焼け野原となってしまいました。
空襲の被害をまぬがれた農村地域と違って、都市部の神社仏閣、建築物、住民、その土地で営まれてきた暮らしそのものが焼き払われた結果、これまで脈々と受け継がれてきた伝統までが存亡の危機に瀕しました。
そこから、やがて訪れる高度成長期に突入するまで、誰もが生きていくことに必死で、日本はとても貧しい時代を経験することになります。
家族が亡くなってお葬式をしたくても、燃料不足で霊柩車も使えず、これまでのように葬列を組むこともなく、単に棺に入れて火葬場へ運ぶのみ、という状態がしばらく続きます。
でも、これって、いわゆる直葬なのよね
立派なお葬式をするのがステータスで当たり前だったから、その時代の感覚では異常事態だよナ
選択の余地なしで、直葬だったのね
焼け野原から互助会誕生!
そんな中、結婚式やお葬式という伝統文化を絶やしてはいけないという考えが生まれます。
そこで、戦前にあった隣組(となりぐみ)組織や相互扶助組織の助け合い活動を復活させたものが、「冠婚葬祭互助会」です。
昭和23年のことです
終戦3年後の話だナ
物資も乏しい時代、かつかつの生活であろうと、自分たちの娘や息子の人生の門出(かどで)は華やかに祝ってやりたいと思うのが親心。
そして、大事な家族の死出の旅路は、何をおいてでもきちんと見送りたいと、誰しも考えます。
そんな「もしも」の時に、急に大金を用立てることは難しくても、わずかな金額なら、なんとかなります。
そこで、家計に響かない程度の金額を毎月積み立てていくことで、将来の婚礼やお葬式に備えましょう、という互助システムが生まれたわけです。
それが、冠婚葬祭互助会です。
そのころの掛金は月50円だったそうよ
コーヒー1杯が20円だったんだよナ
あと、銭湯代が10円で、たばこのピース1箱が30円の時代の話ね。
歴史は以上です
葬儀の互助会サービスしくみと特徴とは?
こういう経緯があって誕生した冠婚葬祭互助会ですが、将来への「備え」という意味では、なんとなく「保険」の考え方に近いですね。
実際に、互助会は保険に例えられることが多いようです
ただ、保険と決定的に違うのは、互助会の積立が満期(完納)を迎えると、「お金」ではなく契約プランのサービス(役務)として還ってくる、というところです。
もう少し厳密にいうと、サービスを受ける「権利」を手に入れる、ということです。
お金が手元に戻ってくるものではありません
お葬式情報を集めだすと、どうしても避けては通れない「互助会」の存在。 互助会に入会するとお得です、ということはCMでもよく目にしますが、メリットがあるとすれば、デメ …
葬儀の互助会しくみの特徴
互助会の特徴としては、基本は次の3点です。
- 基本プランを選び、前払いで月々わずかな金額を積立てる
- 葬儀・婚礼の際に、さまざまな会員特典やサービスが適用
- 加入して会員になると、実際に利用する時まで権利は保証される
とてもシンプルで、だれにとってもわかりやすい内容です。
また結婚式と違って、予定が経たお葬式に対応するため、あえて利用期限を定めず、「いつでも」「何十年後でも」利用できるようにしているところが、互助会システムの最大の特徴です。
互助会が誕生した昭和初期の頃は、このようなシンプルな内容でしたが、その後、全国的に互助会が増えてくると、より使い勝手が良くなるように、改善されていきます。
むしろ、常にアップデートを繰り返している可能性が高いので、もしかして、最新の制度かもしれませんね。
葬儀の互助会サービスの特徴とは?
葬儀の互助会サービスにはいろいろありますが、主な項目は以下のとおりです。
【互助会のサービス特徴】
- 互助会加入(生前予約)により、安価で利用できる(会員特典)
- 加入時に約束したサービス内容を、いつでも保証(無期限)
- 転居しても互助会間で移籍できる(無駄にならない)
- お葬式だけでなく、結婚式、成人式などにもサービスが利用できる
- 同居家族はもちろん、親戚などのためにも利用可能
- 入会後すぐの利用も可能
これらは、どこの葬儀互助会に入っても、共通している内容です。
互助会の「今と昔」大きく違う点とは?
互助会ができた当初と現代では、その内容もいろいろとアップデートされていますが、大きく変わったことの一つは、入会後すぐに利用できるという制度変更です。
-
【初期】入会の半年後から利用可能
-
【現在】入会してすぐに利用可能
このように変化しています。
つまり、入会後すぐに利用しても会員特典が適用される、ということです。
このあたりの解説は、ベルコHP がシンプルでわかりやすかったので、そちらも参考にしてみてください。
実は、この「即日利用で加入して会員割引を適用させる」というのは、互助会でない葬儀屋さんの会員制と同じ状況になります。
【互助会と会員制との特徴と差異】
互助会 |
会員制 |
|
|
【向いている人】
|
【向いている人】
|
かんたんに見ると、こんな感じの違いですね
葬儀社選びで迷った時は「将来、100%そこの土地で生涯を閉じるのか、否か」が、ポイントになります。
暮らしている地域から移動する予定がゼロなら、地元の葬儀社の会員制もいいと思います。
逆に、この先、加療入院や、施設への入居、その他の理由で引っ越す可能性があるのなら、互換性のある互助会が向いていると思います。
まとめ
将来の結婚式やお葬式に経済的な備えをしておくシステムが、冠婚葬祭互助会です。
前もって、無理のない金額を積み立てていき、もしもの時にお金に困らないようにしておこう、という趣旨で設立されました。
昭和23年に「横須賀冠婚葬祭互助会」として設立されたのが最初ですが、その後、この互助会システムの合理性や利便性の高さが受け入れられ、全国に広がっていきました。
昭和48年には、全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)が設立され、現在では221社が登録しています。
それだけの互助会が全国にあるため、互いに協力し合いながら、会員へのサービス向上をはかっています、というのが現在の互助会の姿勢のようです。
今では、互助会以外にも数多くの葬儀社が存在しています。
葬儀社を選ぶポイントは、希望どおりのお葬式をやってもらえるかどうか、というところではないでしょうか。
それを知るためには、気になっている葬儀社からパンフレットを取り寄せ、その内容をじっくり検討してみると、いいですよ。
ネット上には公開しない、お得な情報を知ることもできます。
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