パソコンで調べる高齢男性

 

 

あや子

こんにちは、三輪あや子です

 

分骨とは、火葬後の遺骨を複数に分けて、それぞれ別の墓所にて供養することを言います。

 

分骨を納骨する際には、分骨証明書が必要になります。

 

今回は、分骨証明書をどこでもらうのか、いつ必要なのか、また紛失した時は再発行が可能なのかなどについて、お話しいたします。

 

今後の参考までに、豆知識としてたくわえておいてください。

分骨証明書ってなに?

 

分骨証明書とは、遺骨の由緒を証明する書類です。

 

つまり『正式な手続きを行って火葬された、どこの某の遺骨を分骨したもので間違いありません』ということの証となります。

 

本来、骨壺に納められた遺骨は、火葬場で受け取る「埋火葬許可証」を提出することで、お墓に入れることができます。

 

ところが、この「埋火葬許可証 」は亡くなった方一人に対して一通しか発行されません。

 

あや子ん?

原本のみ有効なので、コピーでは受け付けてもらえません

 

分骨した場合、本体側にはこの「埋火葬許可証 」がありますが、分骨した側には何もありません。

 

何もなければ、それが「どこのどなたの遺骨で、役所に死亡届を出して火葬を認められたものかどうか」さえ、わからないということです。

 

それでは後々何らかの事件がらみのものであった場合、墓地管理者側も非常に困ったことになってしまいます。

 

クロエ

死体遺棄に加担したことになっちまうからナ

 

そういう混乱を避けるため、分骨した場合には、その由緒を証明するための分骨証明書を発行してもらうわけです。

 

これを提出することで、埋葬の依頼を受けた墓地・霊園側も安心して埋葬を引き受けることができます。

 

逆に言うと、この書類がなければ分骨の埋葬・納骨は受け付けてもらえない、ということです。

 

それほど、大切な書類なので分骨を希望する場合は、分骨した数だけ、分骨証明書を取得しておきましょう。

 

  • 分骨一つ分につき一枚の分骨証明書を発行してもらう
  • 納骨するつもりがなくても、念のため分骨証明書はもらっておく

分骨証明書はどこでもらえるの?

 

電話をかける高齢女性

 

分骨証明書をもらうには、3つのパターンがあります。

 

  • 火葬場
  • 火葬場のある自治体(市町村役場)
  • 墓地の管理事務所

 

このいずれかで発行してもらえます。

 

【分骨証明書の手数料】

  • 1通 300~500円(自治体によって異なります)

火葬場で発行する場合

 

故人を火葬した火葬場で発行手続きを行います。

 

注意したいのは、火葬した当日のみ発行が可能です(厳密には、お骨揚げ(拾骨)が終わるまでに申し出た場合のみ)。

 

拾骨が終わって帰宅した後に分骨したものについては、火葬場での証明書発行はできません。

 

あや子

最初から分骨するつもりなら、葬儀社に伝えれば手続きなどはやっておいてくれますよ

火葬場のある自治体で発行する場合

 

納骨する前に分骨した場合、分骨証明書は火葬した火葬場のある自治体(市町村役場)で発行してもらえます。

 

クロエ

火葬場じゃないからナ

 

現在は各自治体のホームページから申請書をダウンロードできるようになっているので、チェックしてみてください。

 

あや子

申請書に記入する情報は、前もって調べておくといいですよ

 

【必要記入事項(参考例)】

 

分骨証明書の申請には、以下の情報が必要となります。

 

  • 死亡者の本籍
  • 死亡者の住所
  • 死亡者の氏名・性別
  • 死亡者の生年月日
  • 死亡年月日
  • 火葬年月日
  • 火葬した場所(火葬場名)
  • 分骨の理由
  • 分骨の予定場所
  • 死亡者との続柄

 

亡くなった当初はすぐにわかることや、覚えていて当たり前のことでも、時間が経つと故人のプライベートな情報は記憶が薄れたり、あいまいになっていくものなので、きちんと調べ直しておきましょう。

 

クロエ

いちいち調べるのも手間なんで、故人情報はどこかにメモしておくといいかもナ

墓地・霊園の管理事務所で発行の場合

 

いったん納骨した後に分骨する場合は、現在、埋葬(納骨)している墓所の管理事務所で分骨証明書を発行してもらえます。

 

墓地・霊園で分骨を行う場合には、あらかじめ日時を決めて、宗教者や墓地管理者の立ち会いのもと分骨を行います。

 

あや子ん?

勝手に墓石を動かしたり、骨壺を取り出したりしてはだめですよ~

分骨証明書をなくしたら!?再発行は可能?

 

パソコンと困っている男性

 

一度、発行してもらった分骨証明書が、どうしても見つからない時、再発行は可能です。

 

ただ、火葬場と墓地で分骨証明書を発行してもらった方は、再発行の申請場所が変わります。

 

  • 火葬場で分骨証明書を発行 火葬場のある自治体で再発行
  • 墓地・霊園等で分骨証明書を発行 墓地・霊園がある自治体で再発行

 

どちらのケースも再発行は各自治体(市町村役場)で行います。

 

あや子

もともと火葬場のある自治体で発行してもらっている方は、同じ役所で再発行です

墓地がすでにないんだけど、再発行は可能?

 

墓じまいをした時に分骨し、その後、墓地そのものが閉鎖されていた、というケースもあります。

 

その場合でも、分骨証明書の再発行は可能です。

 

分骨証明書を発行した時点で、その墓所の管理者から自治体側へ「分骨証明書の発行を行いました」という連絡を行っているからです。

 

もし分骨証明書を紛失した場合は、火葬を行った自治体、もしくは分骨した墓地がある(あった)市町村役場に問い合わせてみましょう。

分骨証明書はいつ必要なの?

 

分骨証明書が必要になるシーンをまとめると、次のような時です。

 

  • 埋葬するとき(墓地・霊園)
  • 納骨するとき(納骨堂など)
  • 永代供養(個別・合祀)
  • 自然葬(散骨)
  • 手元供養(粉骨加工の依頼などで)

 

以上のシーンで手続きを行う際に、埋葬許可証あるいは分骨証明書の提出・提示を求められます。

 

あや子

ただ、この中にもケースバイケースで不要な場合もあります

 

分骨証明書がいらない場合もある?

 

どのような場合に分骨証明書がいらないのか、確認しておきましょう。

 

  • 散骨の場合
  • 手元供養をする場合

 

この2つのケースでは本来、分骨証明書はいりません。

 

分骨証明書は、埋火葬許可証と同じで「遺骨を埋葬・収蔵する際」に必要となる書類です。

 

だから、埋葬も収蔵もしない「散骨」や「手元供養」には、こういった書類は提出する必要はありません。

 

ところが、やり方次第で書類が必要になるのが、この「散骨(自然葬)」と「手元供養」なのです。

 

どういう時に必要で、どういう場合に不要なのかを、チェックしてみましょう。

散骨する場合

 

散骨するには、遺骨を砕いて粉状(粉骨化)しなければなりません。

 

この粉骨加工を専門業者に依頼すると、業者側は「正しい手続きのもと火葬された遺骨である」ことを確認するため、必ず証明書の提示を求めます。

 

ただ、すべて自分たちの手で準備し、散骨を行う場合は、誰かに何かを見せることもないので、こういった証明書は必要ありません。

 

  • 業者に依頼⇒書類が必要
  • 自分で行う⇒書類は不要

 

あや子ん?

ただ・・・散骨には守るべきルールやマナーがあります。

それに、ちょっとしたことで違法行為になったりもするので、そのあたりを熟知しているプロの手を借りて、自分自身は「祈り」に専念するほうがいいと思います

 

手元供養する場合

 

手元供養の場合も、火葬場から戻ってきた骨箱のまま自宅に保管するだけなら、「収蔵」には当たらず、なんの手続きも必要ありません。

 

ただ、ミニ骨壺などに入れ替えて手元供養するため、専門業者に遺骨の粉骨化を頼んだときに「どういう遺骨なのか」を確認するため、書類の提示を求められます。

 

  • 業者に粉骨依頼⇒書類が必要
  • 容器だけを購入⇒書類は不要

 

あや子ん?

手元供養の容器(骨壺)が密封タイプの場合は、遺骨を業者に入れてもらうので書類が必要です

 

「手元供養」の場合は、次のようなシーンでも埋火葬許可証もしくは分骨証明書が必要です。

 

書類の提出が必要なシーン

 

  • 手元に残す以外の遺骨を永代供養などするとき
  • 手元供養した遺骨を将来、手放す時(別の供養をする時)

 

人の遺骨は尊厳を持って扱わなくてはならないため、それを預かる事業者側も慎重になります。

 

何かアクションを起こすたびに、遺骨の由緒を証明する書類は必要になります。

 

分骨すると成仏できないってホント!?

 

喪服を着た高齢女性

 

遺骨の分骨はよろしくない、という意見もあります。

 

分骨すると「あの世で体がバラバラになって、成仏できない」「五体不満足で魂が苦しんでいる」ということだそうですが、これらは俗説です。

 

この分骨に関しては、そもそも仏教の祖であるお釈迦さまの遺骨(仏舎利)は、その当時、徳にあやかりたいと考えた人たちの手によって分骨され、今や世界各地でていねいに祀られています(仏舎利塔)。

 

日本人が遺骨を大事に思うのは、そういうところから来ているのかもしれませんが、遺骨に執着しすぎるのも日本人の特徴です。

 

故人の魂は遺骨に宿るのではなく、はるか高みへとのぼり、また新たな命となって転生を繰り返すのです(輪廻転生の考え)。

 

同じ仏教でも浄土真宗では、即身成仏です(魂が迷ったり苦しんだり、そこにとどまって困っていたりは、しないのです)。

 

ですが、一人分の遺骨を別々に分けてしまうことに「なんか・・・痛そうだな」「困ったりしないかな」とあんじる気持ちは、わからないでもありません。

 

昔の誰かが、そう感じたことをふと口にしてみたところ、共感する人も多くいて、それがなんとなく言い継がれて現在に至る、というところでしょうか。

 

いわゆる「個人の感想」の息の長い口コミバージョン、かもしれませんね。

 

戸惑うあや子

 

宗教的な考え方はともかく、何より大切にしたいのは家族を亡くした遺族の気持ちです。

 

遺された家族の心が、少しでも早く平安を取り戻せるなら、どのような供養のやり方であっても、亡くなった本人はホッと胸をなで下ろされているかもしれません。

まとめ

 

ブログを書くあや子

 

分骨証明書は、埋火葬許可証と同じく、その遺骨の由緒を証明するものです。

 

分骨した際には、発行してもらっておきましょう。

 

最初から分骨する予定ならば、事前に葬儀社に伝えておくことで、お骨上げ終了時に合わせて、火葬場で受け取れるようにしてもらえます。

 

納骨前であれば、火葬場のある自治体に申請手続きを行います。

 

すでにお墓などに納骨している場合は、その霊園・墓地の管理者に連絡して、分骨の手配を行います。

 

その場合、墓石を動かす石材店や立会う僧侶などへの支払い・お布施などで数万円の費用が必要となることもあります。

 

発行された分骨証明書はわかりやすい場所に保管し、他の家族にも保管場所を伝えておきましょう。