こんにちは、三輪あや子です。
お葬式について調べていると、どうしてもトラブルの多さが気になります。
大切な家族を亡くして傷心のうえ、お葬式が終わった後でまたトラブルだなんて、絶対にイヤですよね。
そこで、今回は葬儀のトラブルについて、いろいろと調べてみました。
- 葬儀トラブルの原因
- トラブルになりやすいポイント
- トラブル相談の実例
- トラブルを防ぐ対策
こういった内容で、
特に、葬儀屋さんとの打ち合わせで、注意したいことなどを中心にまとめましたので、参考までにどうぞ!
年間600件以上!?葬儀のトラブル相談の実態とは
実際に、葬儀関連のトラブルって一年間に、どのくらい起こっているのでしょうか。
国民生活センターがまとめたデータによると、
年間600件以上の葬儀サービスに関する相談が、各地の消費生活センターなどに寄せられているそうです。
相談件数は、こんな感じです。
(資料:国民生活センターのPIO-NET(消費生活相談データベース)より)
こちらは、2010年度~2014年度の相談件数ですね。
年々、増加傾向にあります。
この2014年の死亡者数は127万3,004人で戦後最多だったそうです。
死亡数の増加にともなって葬儀件数も増えるので、トラブル相談件数も増えた、ということなんでしょうね。
ん?・・・でも、トラブル件数って、少なくない・・・?
まあ、エステや通販トラブルとかに比べればね。
でも、1件あたりの金額は大きいから。
ちなみに、この後の相談件数の推移ですが、減少に転じています。
- 2017年度 637件
- 2018年度 622件
- 2019年度 631件
全体の相談件数の推移をみると、こうなります。
(資料:国民生活センターのPIO-NETより)
2010年度の頃に戻ったって感じね
ここでの「葬儀サービス(トラブル)」というのは、葬儀社が行うお葬式のほか、葬儀式場、火葬場や僧侶への依頼などに関するトラブルもふくんでいます。
ただ、この中に冠婚葬祭互助会の会員契約や施行については、ふくまれていません。
互助会以外のトラブル相談ってことですね
じゃあ、互助会トラブルが入ると、もっと多いってことかぁ
PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)とは、
国民生活センターと全国の消費生 活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデーターベースのこ と(2015 年 11 月 30 日までの PIO-NET 登録分)。
※2015 年度以降は、消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。 |
お葬式のトラブルって、どんなトラブルなん?
あ、それ、次だし
葬儀のトラブルTOP8!どんなこと相談してるの?
葬儀トラブルって、みなさん、どんなことで相談しているのでしょうか?
人によっていろいろだとは思いますが、具体的にどういう内容の相談が多いのか、みてみましょう。
たとえば、戦後最多の死亡者数となった2014年度の相談内容のTOP8は、こんな感じです。
1位 高価格・料金 | 205件 |
2位 説明不足 | 196件 |
3位 契約 | 134件 |
4位 見積り | 121件 |
5位 契約書・書面(全般) | 103件 |
6位 解約(全般)
返金 |
88件
88件 |
8位 他の接客対応 | 86件 |
(国民生活センターHPより引用)
やっぱり1位は葬儀価格ですね
1位~6位までは、すべて葬儀費用にかかわることで占められていますね。
2位と5位も結局は支払いに関係するものです。
6位の2項目も解約をしようとしての返金トラブルということで、相談件数が同数ですね。
主なトラブル内容は
「価格やサービス内容について十分な説明がない」
「質素な葬儀を希望したのに高額な料金を請求された」
ということで、
やはり葬儀費用でトラブルになっているものが多いようです。
とても残念ですね。
ちなみに、2014年度の相談者が葬儀サービスで契約した平均金額は、約89万円となっています。
ん? 100万円しないんだ・・・
あ、これは骨つぼ代やお布施のトラブルなどもひっくるめた平均金額だからね
おそらく、葬儀費用のトラブルでは、100万円を超えていると思います。
なぜ、お葬式ではこういった金銭トラブルが起こりやすいのでしょうか?
葬儀費用のトラブルは、なぜ減らない?
どう生きようが、「死」はすべての人に、もれなく訪れます。
人が亡くなったときに行われる「葬送の儀式」は、「婚礼の儀式」と並んで人生の2大セレモニーともいわれています。
そんな重要な意味を持った儀式であるにもかかわらず、お葬式では「こんなはずじゃなかった」というようなトラブルがやたら目立ちます。
そうでなくても、なんらかの不満や「もっとこうしてればよかった」というたぐいの悔いが残りがちなのも、特徴的です。
なぜか?
前もっての準備ができていないからです。
お葬式のトラブルは単に準備不足?
お葬式にトラブルが起きやすい主な原因は、単純に準備不足によるところが大きいです。
準備不足からくる知識不足、それに加えて、家族というもっとも近しい人との死別で、冷静な判断力がゆらいでいることも要因です。
これが結婚式であれば、準備なしでいきなり本番当日という人は、まずいないでしょう。
たとえ若いカップルであっても、ネットを駆使してブライダル情報を集め、式場の情報、プラン情報、サービス内容などを比較検討して、自分たちが一番いいと思う形で結婚式を挙げようと行動します。
それでも、トラブルはあるんだけどね
ところが、お葬式に関しては、それとは真逆です。
むしろ、準備万端整えているほうが珍しいくらいです。
こっちは、いきなり本番なんだよね~
実際に多くの方が臨終を迎えた家族を前にして、時間に追われるように葬儀社を選びます。
そして、あわただしくご遺体といっしょに式場へと移動。
そこで初めて聞く葬儀の説明に、真剣に耳を傾けるものの、よく理解できず、なかば葬儀のプロである担当者にお任せ状態。
あれこれとすすめられるままに「じゃあ、それで」と決めてしまうケースが非常に多いです。
- 「プロやし、よくわかってるやろうし、任せとけばええようにしてくれるやろ」
- 「物腰やわらかで誠実そうだし、節約したいって要望も伝えたから、大丈夫だろ」
- 「何が必要とか、聞かれてもわからんし。とりあえず言うとおりにしとけば、恥かくことないやろ」
---と、
このように担当者に頼ってしまう心理が働きます。
ここで、すれ違いが生じます。
互いの共通認識のズレがトラブルを引き起こす要因となります。
お葬式のトラブル原因は金銭感覚のズレ?
トラブルは、喪家側の情報不足で起こりますが、葬儀社側の説明不足も、要因の一つです。
葬儀トラブルに関する相談のほとんどが葬儀費用への不満です。
つまり、喪家側が、費用に関して十分に理解できていないということです。
その時の、葬儀社側の対応としたら、次の2つのうちのどちらかでしょう。
- 故意にあいまいにした
- きちんと説明をした(署名ももらったヨ!)
この、どっちかだね
仮に「時間がないから」「めんどうだから」という理由で、葬儀費用の部分をごまかすようにして強引に押し通した、というのなら論外です。
ところが、確かに説明したにもかかわらず、十分な理解が得られていなかったというのは、葬儀社側の説明のしかたに問題があります。
多くは、こちらなんです
説明のしかたにも問題はあるのですが、特に気になるのは、双方の、葬儀における共通認識のズレです。
その一つが金銭感覚です。
喪家側が要望を伝えて、葬儀社側が望みどおりの手配を行ったとして、その費用に対しての感覚は大きく違っています。
葬儀社側「こちらが請求書です(よし、サービスしといたし、喜んでもらえるやろ♪)」
親族側「・・・っ!(高っ!なんやっ、この葬儀屋、詐欺ちゃうか)」
というくらいの金銭感覚のズレが生じていますよ~。
不幸な・・・
もう少し身近なショッピングにたとえると、
近所の喫茶店で1杯400円のコーヒーが、ホテルで飲んだら1200円の請求書が来て「な、な、なんでやっ」とうろたえるのと同じ(?)かもしれません。
普段、1万円台のワンピを買っているのが、ふらっとフェンディの店に入って気になったワンピの値札を見たら40万円だったときの、うろたえ感・・・?
あるいは、アパレル商社のセールに招待されてのこのこ出かけ、90%オフで提供されているステキな革コートの値札を見たら、30万だったときの、せつない気分・・・?
今なら、うろたえません!だいじょうぶぅ!
ウソつけ
このような感じで、葬儀関係者には当たり前の相場価格が、一般人には「ありえんだろ・・・」的な価格設定だったりします。
これが、請求書を受け取ったときに判明するものですから、トラブルに発展してしまうんですね。
ただ、終わってしまった葬儀費用の請求に対して、多くの方が内心もんもんとしながらも、だまって支払いを済ませていると思います。
せいぜい、請求書を持ってきた社員に対して、「えらい高いな・・・」とチクリと嫌味をいうのが関の山、というところでしょうか。
葬儀社に改善してほしいと思うこと
葬儀会社には、接客する社員に対して、よりいっそう接遇の研修に力を入れていただきたいですね。
その上で、葬儀担当者には「疲れ切った知識ゼロの素人でも理解できちゃう」葬儀プランの説明方法について、研究してもらいたいと思います。
特に、請求書を見てギョッとする葬儀費用については、さらなる明朗会計を求めます。
担当者さんは慣れているかもしれませんが、喪家にしてみればあっと驚く高価格なんです
なかでもご遺体保存のために使用される商品は、特殊です。
街中の店舗で入手できない特殊な用品は、高価格であったりするので、「一つがいくらで、なぜそれが必要なのか」ということも、省略せずに説明しておくことが必要なのではないでしょうか。
でも今は、かなり改善されてきたようですよ。
こんな要望も出てるしね
葬儀に携わる様々なトラブルが寄せられていることを踏まえ、全ての葬儀社に対して以下のとおり要望します。
併せて、市場の健全化および消費者トラブルの未然防止、拡大防止のため、業界団体である全日本葬祭業協同組合連合会に業界全体への周知徹底を求めます。
葬儀について事前・事後の相談に応じ、消費者の疑問等に適切な説明や助言を行うこと。
契約に際してのトラブルを防止するために、葬儀サービスの内容について詳細に説明し、見積書を渡して最新の請求金額を適宜伝えたりする等、消費者に分かりやすい丁寧な情報提供を行うこと。
(国民生活センターHPより引用) |
葬儀業界も危機意識を持って対処しているようで、大手葬儀社では人材育成にも力を入れています。
また社員の自然な若返りで、じょじょに風通しも良くなっているのも事実。
全体的にコミュニケーション能力も向上しています。
今後に期待したいですね
まあ、それはそれとして・・・
実際には、どんな葬儀トラブルがあったのでしょうか?
参考のために、見てみましょう!
葬儀のトラブル相談の実例集「わたし、納得いきません!」
では、実際にあった葬儀トラブルの実例を紹介していきたいと思います。
【ケース1】
電話帳で調べた葬儀社に依頼し、ひとり暮らしの叔母の葬儀を行った。
後日、葬儀社から請求書を受け取ったが、覚えのないサービスの料金が多数含まれていて、納得いかない。 果たして支払い義務はあるのでしょうか。 |
【ケース2】
先月、高齢の母の葬儀を近所の葬儀会館で行いました。
老人クラブの仲間や近所の方も参列して、良いお葬式でした。 母の希望もあって家族葬の安価なプランで契約したはずでしたが、後日、受け取った請求書には、最初に契約した価格の倍以上の請求金額がありました。 説明を求めましたが、葬儀社からは納得がいく説明はありません。プランを超えた部分に関して、支払う必要があるのでしょうか。 |
こちらの方の場合は、家族葬を希望しつつ、会葬者が多かったのが原因じゃないでしょうか
【ケース3】
施設に入所していた義父が急死し、搬送先の病院から2時間以内に遺体の引き取りを求められた。
電話長で慌てて選んだ葬儀社に家族葬を希望したが、異なる契約を強く勧められ、根負けして150万円の一般葬で契約。 お金がなくて支払うことができない。 |
このトラブルについて詳しくは、
>>こちらの記事をご覧ください。
【ケース4】
母親が亡くなり、葬儀会館のある葬儀社に市民葬儀を依頼した。
見積書を催促したが持ってこず、式場はほこりまみれで祭壇もボロボロだった。 葬儀後に届いた請求書の金額は100万円。請求項目にも不審な点があり、説明を求めたが納得がいかない。 市民葬儀で100万円は高すぎると思う。 |
このケースについて詳しくは
>>こちらの記事をご覧ください。
う~ん。市民葬儀って安いイメージだけど、そうじゃないのよね
【ケース5】
入院中の父が死亡。
病院から紹介された葬儀社に依頼し、家族葬を希望。 おろおろして総額もわからないまま追加サービスを了承したところ、葬儀後の請求金額は150万円だった。 説明されていない項目の記載もあり、納得できない。 |
このトラブルについて詳しくは
>>こちらの記事をご覧ください
【ケース6】
葬儀を行ったが、契約代金よりも追加代金の方が高額だった。納得できない。 |
【ケース7】
一括サイトで葬儀場のパンフレットを取り寄せ、綺麗な建物の寺に申し込みをしたが、実際の葬儀場は写真と異なる古い寺で、パンフレットの写真は葬儀を行わない別の建物だとわかった。 |
お寺って、いろいろあるんですよ~。
由緒あるお寺だったんですね、きっと
【ケース8】
葬儀をしたが、合意していないサービスの料金を葬儀会社に請求された。支払義務があるのか。 |
これらの具体例は、国民生活センターHPや、葬儀社で過去に研修資料として配付されていたものを一部引用いたしました。
このように、
すべてのトラブルは、最終的に金銭トラブルにつながってしまうようです。
そもそも、こういうトラブルって、なぜ起こってしまうのでしょうね?
葬儀費用でトラブルになってしまう注意すべき3つのポイント
まずは、トラブルになりやすいポイントをチェックしておきます。
葬儀トラブルの相談内容を見ていると、こんな共通点(問題点)が浮かび上がってきます。
|
この3点がクセモノです。
まずは「短時間」の弊害から見ていきますね。
短時間で物事を決定しなければならない
通常の判断力ならば問題ないのですが、身近な人をたった今亡くした状態というのは、人生において最大のストレスです。
その精神状態で、物事を正しく判断していくというのは、かなり無理があります。
葬儀社と十分な話し合いをする時間がない
知識がなければ、ゼロから学ばなければなりません。
つまり、情報収集が必要になるわけですが、臨終から通夜まではせいぜい10時間程度しか余裕がありません。
お葬式の準備手配などに費やす時間を考えると、葬儀社との話し合いの時間はほんの2~3時間程度です。
つまり、物事を判断するだけの十分な知識を得る時間は、まったく足りないのが現実です。
追加サービスによって、葬儀費用はどんどん高くなる
契約するプランには、基本中の基本サービスのみがふくまれていますが、それ以外は追加サービスです。
追加サービスは、有料です。
それが必要かどうかは自分で決めます。
ところが、葬儀知識がない上に、十分な情報収集の時間もない、となれば、判断能力にも自信は持てません。
目の前には、世間体や慣習、伝統、信仰という見えない壁がそびえ立っています。
何が必要で、何が不要という判断が、自分ではつきにくいため、どうしても目の前のプロに頼ります。
すると、プロである葬儀担当者に、本来ならば自分ですべき判断を「おまかせ」してしまうことになり、
いざ、お葬式が終わってみて、請求書を渡され、びっくり、ということになるわけです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
葬儀費用でトラブルにならないための対策とは?
葬儀におけるトラブルを防ぐ対策として、いくつかのポイントを挙げてみました。
もしもに備えて、前もっての準備をしておく
一番いいのは、日常から希望する葬儀のイメージをまとめ、葬儀社を探しておくことです。
生前契約(会員制度に加入)する方も最近は増えていますが、そこまでしなくても、ある程度、情報を集めておくことで、自分の希望をかなえてくれる葬儀社の目星を付けておくことができます。
そうやって、あらかじめ葬儀社の候補をしぼっておくことが、後々役立ちます。
葬儀担当者との話し合いは、複数人で応対する
精神的にダメージを受けているお葬式のシーンでは、一人きりで物事に対応するのは望ましくありません。
これは、葬儀社側にとっても、喪家側にとっても、避けたいことです。
3人集まれば文殊の知恵、というように、
頭がぼんやりしていても、親戚や家族が周りにいてくれれば、誰かが、問題点に気づくこともあります。
自分にはない知識を、だれかが持ち合わせて、そのことを指摘してくれます。
普段なら言わないような「あほな質問」をだれかがやらかしてくれれば、それだけで場がわずかに和み、緊張度合いもゆるまります。
クスクスという笑いは、冷静な判断力を引き戻し、救いとなります。
特に、有料追加サービスを決める部分では、「みんなで聞いて、みんなと相談して、みんなで決める」ことによって、要らないサービスを外すこともできます。
葬儀担当者とド素人の自分だけなら、あからさまに聞けないことも、みんなと対応することで、聞くことができます。
意味あることもないことも、好きに聞くことができる雰囲気が生まれます。
たとえば、こんな感じです
「それって、いくらぐらいするの?」
「え、すっごい高いやん。まけられへんの?」
「棺桶なんか、どうせ、燃やしたらしまいやしなぁ」
「でも、この模様が入ったのキレイやん。これ、ええわ」
「そうやなぁ・・・ふうん、うわっ、高っか!基本の白木でええわ」
「それって、絶対必要なものなん?」
「え、省いても値段は変わらん?ほな、あかんな・・・まあ、じゃあ、ええわそれで」
「骨つぼ?一番安いのんで、ええやん」
「むしろ、ふろしきに包むんでもええんちゃう?」
「そこらの紙袋で持って帰るとか?」
「なにアホなこと言うてんの。(葬儀屋の)お兄さん困ってはるやないの。ええかげんにし」
「で、(葬儀屋の)お兄ちゃん、結局いくらまけてくれんの?こんなときやから、ちょっとは勉強したってや。頼むで」
関西だけでしょうか。
葬儀屋のお兄さんは日々、鍛えられ続けているようです。
複数人で対応すると、
ほかにも、こんなメリットがあります。
親戚筋からの苦情をかわすことができる
複数人で対応することで、お葬式の形式や規模など、その選択への(親戚縁者からの)バッシングを、かわすことができます。
お葬式に集合した親戚のどなたかから、厳しい指摘を受けた場合でも、「いや、これはこういう理由から、みんなで決めたことなんや。(もう黙っとれ!)」と宣言することができるんですね
うるさい親戚をだまらせる手段になるんだね
ひとりだと、寝耳に水の「○○家代々のしきたり」には太刀打ちできませんから
いじめられるね・・・
双方にメリット!聞き漏らしや勘違いを防ぐ
葬儀社側からすれば、きちんと説明したにもかかわらず、後から「そんなこと聞いてない!」というような水掛け論に発展するリスクを避けることができます。
1対1だと、「言った」「言わない」の不毛なトラブルが、わりと起こりやすいのです。
わたしも司会者として喪主との打ち合わせを行うときは、必ず喪主の家族に同席していただきましたし、控え室に親戚もふくめて全員がそろった中で、打ち合わせを行うこともありました。
ましてや、葬儀料金に大きくかかわる担当者との話し合いでは、よりいっそうの慎重さが求められますね。
ああ、ありがちな「記憶にございません」回避作戦だね
葬儀社側にとっても、親族側にとっても、ってことですね
- 言いたいことを言える
- 聞きたいことを聞ける
- 親族からの文句をブロックできる
- 聞き漏らしや勘違いを防ぐことができる
葬儀で提供されるサービスは多岐にわたり費用の項目が複雑であることや、親しい人との死別という事態に冷静な対応ができなかったり、葬儀社の説明や消費者の理 解が不足していたりすると、葬儀の料金やサービス内容に納得できずにトラブルになることもあ ります。
葬儀については話題にしづらいかもしれませんが、トラブルを防ぎ、後悔しない葬儀にするためには事前の情報収集が欠かせません。 (平成27年12月27日独立行政法人国民生活センター)
国民生活センター(報道発表資料)より引用 |
と、いうことです。
それでも、トラブルになったら?
トラブルになったら
気をつけているつもりでも、不慣れなことに対応していると、何かしらトラブルは起こります。
見過ごせないようなことが起こった場合は、まず担当者と話し合い、それでも納得いかない場合は、居住地の消費生活センターなどに連絡し、相談してください。
今は、電話相談窓口が用意されているので、相談しやすくなっています。
第三者の知恵を借りることで、物事がうまく収まることがあります。
腹の虫が治まらなくても、なんらかの解決へと導いてくれると思います。
まとめ
今回は、お葬式のトラブルの傾向と対策をまとめてみました。
多少なりとも、参考になったでしょうか。
お葬式でのトラブルのほとんどは葬儀費用に関することです。
そして、トラブルが起こりやすい問題点は次の3点です。
- 非常に短時間で物事を決定しなけれならない
- 葬儀社と十分な話し合いをする時間がない
- 追加サービスによって、料金も上乗せされ、葬儀費用が高額となる
このことを、踏まえて対処すれば、トラブルを防ぐことができます。
その具体的な方法としては、次の二つです。
- もしもに備えて、前もっての準備をしておく
- 葬儀担当者との話し合いは、複数人で応対する
もっとも安心なのは、何も起こっていない平時に、もしもの準備をしておくことですね。
納得のいくまで情報収集し、比較検討しておくことで、希望どおりのお葬式が実現します。
そして、不慣れなことを、決して1人で対処しようとしないことです。
家族、もしくは信頼できる友人・知人に同席してもらいましょう。
お葬式は真実、一生に一度きりのセレモニーです。
不満があろうとなかろうと、トラブルが続出しようがしまいが、お葬式を終えて火葬場へ行き、白骨を骨つぼにおさめた時点で、別れの儀式は終了です。
時間を巻き戻すことができない限り、やり直しはききません。
ただね、多少のドタバタがあったとしても、希望どおりのお葬式になったなら、その記憶はやさしい思い出となって、残された人の心を時間をかけてなぐさめてくれます。
ぜひとも、そういう別れの儀式を行ってほしいと願います。