なぁなぁ、あやちゃん。お葬式に行けない時にお香典ってどうしてる?
ん? 参列する人に預けるか・・・送るわね
え、香典って送ってもいいんだ!?
昔からの友人の親が亡くなったりした時、通夜にも葬儀にも参列できなくても、せめて香典だけは送りたい、ってことありますよね。
でも、お葬式にも行かないで香典だけ送るのって、失礼だと思われないかな、ってちょっと心配だったりします。
そこで、今回は、マナー違反にならない香典の送り方などをお話ししたいと思います。
香典を遺族に郵送するのはマナー違反じゃない!?
お葬式に参列せず、あとからお香典だけを送ることは、べつに失礼なことではありません。
もちろん、香典を持ってお葬式に参列するのが正式ではありますが、昔と違って今は遠方に暮らしていたり、訃報を聞いた時には、すでに外せない予定があったりで、お葬式に参列できないこともあります。
また最近では、感染症対策からの遠慮もあって、参列をためらうこともあるでしょう。
それでも、これまでのお付き合いのことを考えれば、お悔やみの気持ちを伝えるためにも、お香典ぐらいは渡したいと考えるのは、ごく普通のことです。
香典を送ること自体は決して失礼なことではありませんが、どう送るかで、マナーに反する場合もあるので、注意が必要です。
お葬式に行けない時、一般的なお香典の渡し方とは?
お葬式に参列せず、お香典だけ届けようとするなら、以下の方法が一般的です。
- お葬式に参列する人に香典を預ける
- 香典を郵送して遺族に届ける
参列できない場合は、「預ける」か「郵送」かの、どちらかの方法でお香典を届けることになります。
香典を人に預ける(お葬式に参列する人に渡してもらう)方法
こちらは、知り合いに香典を預け、遺族に届けてもらう方法です。
会社の同僚や、ご近所の方、自治会(町内会)の会長や同じ班の班長など、顔見知りで確かな人物に香典を預けることで、確実に遺族に渡してもらえます。
ただ、会社の上司など、目上の方に香典を預けるというのは、状況次第では許容範囲ですが、自分の「お使い」をさせることになるので、失礼なことと理解しておきましょう。
多分、引き受けてくれますが、内心「コイツ・・・」と思っているかもしれません
あやちゃんはぁ~、けっこう、目上の人間、使っちゃったりしてるよなぁ~
記憶にございません
香典を預かった場合の対処
香典を預かった側の注意点も、少しお話ししておきますね。
預かったお香典を持って葬儀の式場に着いたら、まずは受付けに向かいます。
そこで、お香典を渡すわけですが、それと引き換えに、必ず香典の数だけ「会葬御礼の品」を受け取ってください(自分の分もふくめた数です)。
この会葬御礼の品には、喪主の会葬礼状が同封されていますので、これを持ち帰ることで、「預かった香典を確かに遺族に渡しました」ということの証明になります。
いわば領収書代わりです。
これは、香典返しとは別物です
式場の受付けで渡される会葬御礼の品には、このような意味合いもふくまれているので、変に遠慮して受取りを拒むようなことはしないほうがいいでしょう。
仮に、預かった香典の数だけ会葬御礼の品が渡されないようなら、会葬礼状だけでも、枚数分を預かって帰りましょう。
会葬礼状は返品不可の商品なので、余るほどあるはずです
香典を立て替えてもらった場合の謝礼は?
やむを得ない事情があって、香典そのものを一時立て替えてもらう、ということもあると思います。
立て替えてもらうということは、新たに不祝儀袋を購入し、表書きを代筆するなど、けっこう手間がかかるものです。
さらに、お葬式が終わった後、会葬御礼の品を送ってもらった場合には、送料などもかかっています。
まずはお礼を述べて、不祝儀袋代や送料の精算を、自分から申し出ます。
袋代や送料などは「気にしなくていいよ」と言われた場合、自主的に感謝の気持ち分を上乗せして返すのがいいでしょう。
- 香典の金額に、かかった費用分を上乗せして返す
- 香典の金額と別に、プリペイドカード(図書カードなど)を添えて返す
いずれかの方法をとれば、行き届いた印象となります。
大げさにせず、ほんの気持ち分で十分です
香典を郵送する方法
次に、香典を直接、遺族に郵送で届ける方法です。
こちらは、遠方に暮らしていてお葬式に参列できない場合や、お葬式が終わったあとで訃報を知ったような場合に、利用されます。
間に人を介しない方法なので、人にお願いして預かってもらうことの気遣いなども不要です。
今回は、こちらの郵送で香典を届ける方法について、詳しく説明いたします。
マナー違反にならない送り方を、この際、知っておきましょう。
香典の送り方・郵送方法の注意点とは?
香典を郵送するときは、現金書留で送ります。
通常の封筒でポストに投函したり、ゆうパックやレターパックで送ることは郵便法(第十七条)で禁止されています(X線検査でバレて、差し戻されます)。
また、書留には現金書留・一般書留・簡易書留がありますが、現金が送れるのは現金書留のみです。
ちなみに、現金書留で送れるのは日本円のみで、海外紙幣などは一般書留か簡易書留を利用します。
現金書留で香典を送る流れ
香典袋を準備して郵便局の窓口へ行き、現金書留の専用封筒に入れて出します。
【香典送り方の流れ】
- 郵便局窓口で現金書留の専用封筒を買う
- 香典袋(不祝儀袋)を専用封筒に入れ、窓口に差し出す(コンビニでは受付けていません)
- 発送の控えと領収証書を受け取って完了
現金書留の専用封筒は、不祝儀袋がすっぽりと収まるサイズになっています。
また、香典のみを送るのではなく、お悔やみの言葉を一筆書き添えた手紙を同封すると、より丁寧です。
それと、香典袋の中身がちゃんと入っているか、もう一回確認しとこうナ!
香典の送付先はどこにすべき?
お香典の送付先は、喪主の自宅にしたほうが確実で安心です。
お葬式を行う葬儀会館に送ったとしても、行き違いになる可能性も高いので、やはり喪主宅が安心です。
そのことを踏まえて、両方のパターンで送り方を見ていきましょう。
香典を喪主宅に送る場合
喪主宅に香典を送る場合、通夜や葬儀当日は避け、できれば初七日ぐらいまでに届くようにしましょう。
通夜や葬儀当日は・・・自宅は留守にしてるよナ
書留なので不在票が入るし、希望日に再配達もしてくれるけれどね
香典を葬儀会館に送る場合
葬儀会館に香典を送るのなら、お葬式当日か前日に届くように手配します(送るのが早すぎると紛失のリスクがあります)。
ただ、いきなり送るのではなく、まず事務所で香典を預かってもらえるのか、前もって確認しておきましょう。
葬儀会館側で受取り可能であれば、宛先を葬儀会館にして送ります。
その時の宛名は「○○会館◇◇◇家(喪主の氏名)様」とします。
喪主の名前がわからなければ、葬儀会館に連絡した時に確認してください。
喪家名も喪主名も、漢字をふくめて教えてもらえます。
宛名を「◇◇家 ご遺族様」とするのは、喪主名が不明なときの最終手段ではありますが、あまりおすすめしません。
というのも、大きな葬儀会館であると一日に数件のお葬式が行われ、中には、同日に同じ家名の葬儀が執り行われている可能性もあります。
万が一のトラブルを避けるためにも、宛名はしっかりと調べましょう。
とりあえず、葬儀会館に連絡して確認してみてください
ちなみに、喪家名は亡くなった方(故人)の姓なので、たまに喪主の姓と異なっていることもあります。
ああ、そっか。喪主を努めるのが義理の息子だったら、そういうこともあるナ
書留は配達日時の指定ができず、通常の郵便物とほぼ同じ日数がかかります。
香典を送るタイミング【いつまでに送ればいい?】
通夜やお葬式に持参できない場合は、お葬式当日を避け、初七日までに送るのがベストです。
式後1週間ぐらいは、喪主宅にお悔やみに訪れる方もあるため、香典を送る目安としては、葬儀の翌日から1週間ぐらいと考えてください。
葬儀後、1週間もすると、だいたい落ち着く頃合いです。
それ以降は、香典返しの準備があるので、いずれにしても、あまり遅くならないほうがいいですね。
ふ~ん・・・でも、後から亡くなったことを知った時は?
後から訃報を知った場合
お葬式が終わった後に訃報を知った場合は、その時点でお悔やみの手配をすればいいでしょう。
できれば、まず電話をかけてお悔やみを述べ、後日、香典を送るようにします。
かつて親しかった人の訃報を、ずいぶん時間が経って、風の噂で知る、ということもあります。
その時は臆することなく、何らかの手段で連絡を取り、お悔やみの心を伝えるだけでも、供養となりますよ。
香典を送る時の注意点とは?
香典を送る際には、お悔やみの手紙を同封することで、より丁寧な印象になります。
実は、弔電と香典をいっしょに送ることはできませんが、お悔やみの手紙と香典はいっしょに送ることができます。
「取り急ぎ、香典だけでも」と思った場合でも、一筆お悔やみの言葉を添えて送るようにしましょう。
短くって、いいんです
【お悔やみ文例】
「お父様の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします。心ばかりのものを同封いたしましたので、御霊前にお供えください」
これでもいいんですが、シチュエーション別にアレンジした文例は、後の項目をご覧ください
お悔やみの手紙を書くときのポイント
お悔やみの手紙には、いくつかのルール(決まり事)があります。
【用意するもの】
- 無地の便せん(縦書きがフォーマル)
- 封筒は無地の一重
- 筆記具はペン・万年筆もしくは筆(薄墨のみ)
ワープロ印字は好ましくありません
※遺族宛のお悔やみを、ファックスやメールで送信するのはやめましょう。
お葬式当日、弔電を送ったものの葬儀に間に合わない時、葬儀会館宛にお悔やみ文だけをファックスで送り、弔電披露に間に合わせ、なんとか司会者に読み上げてもらう、という裏技的な方法はありますが、それとは別物なので、ダメです
【お悔やみの文章のポイント】
- 時候の挨拶は不要
- 頭語と結語は不要
- 本題から書き出す(お悔やみの言葉)
- 遺族と面識がない場合は、故人との関係を記す
- 忌み言葉はできるだけ使わない
- 香典を同封していることを記す
- 一枚に書き納めた場合、白紙の2枚目は不要
同封するお悔やみの手紙は、短くても、長くなっても構いません。
ただ、短い文章であれば一枚に納め、白紙の2枚目を重ねて同封する必要はありません。
お悔やみの場合、文章を書いた一枚のみを折りたたみ、封入してください。
長い文章であっても、最後に白紙の一枚を付ける必要はありません。
また、故人と親しくしていたけれど、その家族と面識がない場合、手紙の中で故人といつ出会い、どのような関係だったかを書いておくと、遺族も悩まずにすむと思います。
弔電を出す時や、家族を亡くした友人・知人にお悔やみの手紙を書くとき、ふと困ってしまうのが、亡くなった方の呼び方・敬称です。 ここを間違ってしまうと、せっかくの弔電も …
香典に添える、お悔やみの手紙の文例
お香典を送る時、いっしょに同封するお悔やみ状の文例を、シチュエーション別にご紹介いたします。
【例】お葬式に参列できなかった場合
「ご逝去の報に接し、たいへん驚いております。本来ならばお参りに伺うべきところ、遠方ゆえ心苦しく存じます。はるかな地よりご冥福をお祈り申し上げます。心ばかりのものを同封しますので、ご霊前にお供えください」
【例】感染症等の社会事情で参列を遠慮した場合
「突然の悲報に接し、残念な思いでいっぱいです。ご遺族様のお悲しみはいかばかりかとお察し致します。本来であれば、すぐにでもお悔やみを申し上げに伺いたいところではありますが、時節柄、葬儀の参列は遠慮した次第です。ご生前のお姿を偲び、ご冥福をお祈り申し上げます。心ばかりのものを同封いたしましたので、御霊前にお供えいただければと存じます」
【例】葬儀後に訃報を知った場合
「このたびは御尊父様の悲報に接し、ただただ驚いております。お悔やみに伺うこともできず、大変失礼いたしました。遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈り申しあげます。心ばかりのものを同封いたしましたので、どうぞ御霊前にお供えください」
香典は送りたいけれど、字を書くのが苦手という方や、恩師や上司の遺族へ宛てた手紙なので改まったものにしたいと考えている方は、代筆屋さんに手紙を代書してもらうのも一つの方法です。
不祝儀袋の表書きと注意点
不祝儀袋の表書き等は、すべて薄墨を使って書いてください。
不祝儀用の「表書きスタンプ(ハンコ)」を使用する方も、薄墨インクを使ってください。
字を書くのが苦手な方は、文房具屋さんで代筆してもらうか、表書き用スタンプを作っていると、便利です
今どきの文房具屋さんで表書きの代筆してくれるかどうか・・・知らんけど
【香典袋の表書き(シンプル版)】
- 仏式・・・御香奠(御香典)・御香料
- 神式・・・玉串料
- キリスト教・・・お花料(白無地の封筒でもOK)
- 宗派不明・・・御霊前
宗教については、同じ仏教でも浄土真宗は教義によって異なる区別があったりしますが、親族でもない限り、そこまで厳密な対応は求められることはありません。
お付き合いが小さな村落に限られていた昔と違って、人の居住地や交流範囲も全国に広がっている現在、各家の宗教事情にまで精通するのは、無理があると割り切っていいと思います。
ただ、大多数を占める仏式の葬儀に、なぜかキリスト教や神式スタイルの不祝儀袋を受け取ると、受付けの人も一瞬「んんっ!?」となるようです。
逆に言えば、それだけ、です。
遺族に香典を送るときも、わかる範囲で整えれば、特に問題いでしょう。
香典を送る時の配達日数の目安
香典を送るときには、郵便局の窓口で現金書留封筒に手紙を添えて封入し、送ります。
配達日数は、書留だと通常の郵便物よりは早いですが、急ぐ場合は速達を利用しましょう。
いつ配達されるかは、受付けた時間にもよります。
窓口の係員にたずねれば教えてもらえますが、配達日数の目安としては次のとおりです。
[書留で送った場合]
(大阪⇔東京間)
- 午前の受付け⇒翌日の配達
- 午後の受付け⇒翌日の配達
[速達にして送った場合]
(大阪⇔東京間)
- 午前の受付け⇒翌日午前の配達
- 午後の受付け⇒翌日午後の配達
沖縄(那覇市)⇔北海道(函館)間でも、速達なら午前中に出せば翌日午後には配達されます。
まとめ
お葬式に参列することができなかったけれど、遺族に香典を届けたい、と思う方は多いと思います。
そんな時、「香典を送ってもいいものか?」「不躾な感じがして失礼にあたらないか?」と不安に感じるかもしれませんが、その心配は無用です。
むしろ、これまでのお付き合いから「本来であればお葬式に参列していた」なら、ためらうことなく香典を届けた方がいいでしょう。
その時に、一言、お悔やみの手紙を添えれば、十分に丁寧な印象となり、遺族の方々の慰めにもなることでしょう。
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