こんにちは、三輪あや子です。
もし、家族に突然の不幸が起こったら?
急に葬儀屋さんを探さなくてはならなくなったら?
病院で手渡された葬儀社リストの中から、どうやって、いったい何を基準に選べばいいのでしょうか。
頭の中が真っ白な状態でも、なんとか良い葬儀社を選びたいですよね。
そこで、知識ゼロでも、希望どおりのお葬式にするために、葬儀社選びのポイントや特に注意したい点などをまとめてみました。
葬儀社を決める前にまず確認!生前契約の有無
大切な家族が亡くなったとき、気が動転していると思いますが、あわてて葬儀社に連絡を入れる前に、必ず確認しておいてほしいことがあります。
特定の葬儀社との生前契約の有無
亡くなった方(故人)やその家族が、葬儀社と生前契約を行っていないかどうかを確認してください。
最近は、子に金銭的な負担をかけたくないから、と生前契約をしているケースも少なくありません。
仮に生前契約しているとすれば、以下のどれかだと思います。
- 冠婚葬祭互助会に加入(全国ネットワークを持つ冠婚葬祭業者)
- 葬儀社の会員制度に入会している(会員制を持つ中規模葬儀社)
- 葬儀社で生前予約をしている(会員制を持たない小規模葬儀社)
生前契約している場合は、必ずその葬儀会社に連絡するようにしてください。
というのも、前もって内金や入会金、契約プラン分の金額を支払っていることがほとんどです。
その場合、葬儀費用に会員割引などが適用されるので、かなりお得に利用できます。
|
生前契約をしている場合、病院から安置所(自宅・式場)への故人の搬送費用は、サービスで付いていることが多いので、それだけでも数万円の節約になります。
故人を安置したあとは、葬儀社の担当者と、生前に契約したプラン内容の確認をして、必要なサービスがあれば追加するだけです。
なので、まず生前契約の有無は確認してくださいね
生前契約の内容によって、いろいろですが、だいたいこのような認識でいいと思います。
- 葬儀会社との生前契約があれば、そこへ連絡する
生前契約する前と、した後は派手に周知しておこう
ここは、これから生前契約しようか、と考えている方へのワンポイントアドバイスです。
不要な方は読み飛ばしてください
葬儀社に関するトラブルに、
親が亡くなった時、生前契約をしていることを知らず、まったく違う葬儀社に依頼してしまった、ということを、わりとよく聞きます。
もったいない・・・
そうならないためにも、互助会や会員制度に入会する際は「こっそり」ではなく、「入ったぞー」と、できるだけ周知しておいてください。
同居家族だけでなく、子や孫にも、言いふらしておくことをおすすめします。
たとえ息子・娘にムッとされても、気にせず「ここに会員証書があるから」「何かあったときは、○○葬儀社に連絡すること!」と、繰り返し伝えておくことが、重要です。
そうすることで、もしもの時に、看取ってくれた家族が困らずにすみます。
あとになって、その「家族思い」の深さを実感してもらえると思いますよ。
生前契約がなかった方は、次へとお進みください
葬儀社を選ぶ前に、まず一般葬か家族葬かを決めておこう
良い葬儀社に心当たりがない場合、病院で手渡される葬儀社リストなどを参考に、1社を選ぶことになります。
でも、リストって葬儀社名と連絡先のみなのよね・・・
どうやって選べばいいのか、わかんないよね
そういうときには、まず「どんなお葬式にしたいのか」ということを考えてみると選びやすいと思います。
具体的には、お葬式の大きさ(規模)とスタイル(形式)です。
お葬式の規模を考えてみる
まずは単純に、普通のお葬式にするのか、小さなお葬式にしたいのかを、考えてみます。
★普通のお葬式⇒一般葬(会葬者のいるお葬式)
葬儀費用:60万前後~高額でもかまわない
参列者数:親族・一般ふくめて30名以上になるケース
★小さなお葬式⇒家族葬(ほぼ家族のみ)
葬儀費用:できるだけ費用を抑えたい
参列者数:親族・親しい人など少人数(15名以内)
家族葬では、家族のみでないといけない、というルールはありません。
参列者の内訳としては、次のとおりです。
【家族葬のパターン】
- 同居家族のみ
- 家族+親戚の一部
- 親族(家族ふくめ)+ごく親しい知人
いずれも15名以内が目安
このように、参列する顔ぶれは、とにかく故人と親しい関係で、
少人数というところがポイントです。
ただし、計画的に準備していない場合は、家族葬は親族のみで行うほうが良いでしょう。
このことについては、家族葬の特徴のところでお話ししますね。
では、一般葬と家族葬の特徴を、もう少しくわしく見ていきましょう。
一般葬とは?特徴と費用の目安
一般葬というのは、従来どおりのお葬式です。
【一般葬の特徴とは?】
家族親戚はもちろん、友人・知人・近隣の方々などにも見送っていただくタイプのお葬式です。
故人が亡くなった時点、もしくは、できるだけ早い段階で、故人に縁ある方々(代表)へ亡くなったことを知らせます。
お葬式(通夜・告別式)の日時が決まれば、あらためて連絡を取ります。
【向いているのは?】
- 故人が現役で仕事をしている
- 学生など若い世代
- 社交的な方(付き合いが広い)
- 何らかの社会貢献にかかわっている
- 自営業の方
【葬儀費用の目安】
- 平均60万~130万円(ごく普通のランクで)
僧侶へのお布施や供養品代、料理代などは別に必要
葬儀費用は参列者の数や、式場のサイズ、祭壇のランクによって、かなり大きく変化します。
一般葬では、火葬場へ行く人数、精進あげまで残る人数を、しっかりと把握することが、無駄を省いて、費用を抑えるコツです。
現在では、親族に出欠を確認することは、失礼にはあたりません。
家族葬とは?特徴と費用の目安
ごく少人数でのお葬式スタイルです。
【家族葬の特徴とは?】
- 家族・親戚(および親しい友人)のみで行う葬儀
- 一緒に暮らす家族のみで行うケースもあります
- 15名以内という少人数が前提
- 故人との最後の時間をゆっくりと過ごせる
- 費用を低く抑えることができる
親しい人のみで行う小規模なお葬式スタイルなので、時間にゆとりが生まれます。
つまり、喪主や家族が、次々と弔問にこられた方々への挨拶に追われる、ということがありません。
その分、故人との最後の時間をゆっくりと過ごせるというのが、家族葬(小規模葬儀)の何よりのメリットとなります。
【向いているのは?】
- 故人が引退してる
- 故人が施設に入居していた
- 長年、暮らしていた場所から引っ越した
- 親戚との付き合いが薄い
- 都会暮らし
- 近所づきあいが薄い
親族のみであっても、その人数が30名以上にもなるなら、一般葬サイズの式場を用意したほうがいいと思います。
親しい方や近所の方などに参列してもらってもいい、と考える場合は、一般葬サイズの式場で行いましょう。
【家族葬費用の目安】
- 平均30万~60万円
僧侶へのお布施や、料理代などは別に必要
葬儀費用に関しては、親族内に反対意見がない限り、シンプル葬儀に徹して、節約することも可能です。
例:供養品なし、精進料理なし
参列者に渡す供養品も、一応は用意しますが、仮にだれも受け取らなければ、すべて返品して実質ゼロ円です。(供養品に付ける会葬礼状は返品できませんが、安価です)
でもね、お供養品は
お参りに来てくださったことに対するお礼なので、通常は渡しますね
祭壇をいろどる供花や供物も、プラン内にふくまれているものだけにすれば、追加費用は不要です。
これも、親戚の方が注文してくだされば、ありがたく受けましょうね
お金は、注文した親戚の人が払うんだよね
ふつうは、そうね
このように、いろいろとけずることで、葬儀費用も低く抑えることが可能です。
ただ、そうすることで心を痛める人がいないよう、前もって気を配り、理解を求めることも必要です。
逆に、豪華にすることも、もちろん可能です。
急なお葬儀で、あわただしく「家族葬」を選んだ場合、参列者は「家族および親戚のみ」に限ったほうが、安心です。
故人と親しかった方に参列していただく場合、「誰を呼んで、誰を呼ばなかった」ということで、いらぬトラブルを招くことにもなりかねません。
あとあと参列した方と、できなかった方との間で、心のわだかまりが生じることもあります。
また、町内会への訃報も「親族のみでの家族葬とさせていただきます」とすれば、ご近所の方々も一応、納得していただけます。
このように、急に家族葬に決めた場合は、親族のみに限ったほうが無難です。
以下の場合は、問題ありません。
- 前もって、参列していただく方のリストを作っていた場合
- 生前の故人から指名があった方
- 故人の最近の交友関係・人間関係などを十分に把握している場合
- 家族がよく知っていて、故人がお世話になった方
- 故人を看取ってくれた施設や病院の関係者など
繰り返しになりますが、家族葬は参列者の人数がポイントですので、際限なくお呼びすることになれば、式場のサイズを変える必要があります。
狭い式場で大勢の参列者は、かえって失礼にあたります。
一般葬か家族葬かが決まれば、
次は葬儀社選びです
葬儀社を選ぶなら?大きな葬儀社と小さな葬儀社、どちらにすべき?
葬儀の規模が決まれば、次はいよいよ葬儀社選びに移ります。
葬儀社にも大きな会社と、小さな会社があります。
どちらを選ぶべきかは、それぞれの特徴をみてから、決めてください。
ともかく、希望どおりのお葬式ができる、そんな葬儀会社を選ぶことが重要です。
参考までに、葬儀社の主な特徴をピックアップしてみました。
大手の葬儀社の主な特徴とは
全国でも名の知れた冠婚葬祭会社、もしくは大葬儀社です。
それぞれの公式ホームページを見れば、設備やサービス、料金などを、かんたんに調べることができます。
【広域の葬儀社】 |
|
【大手の葬儀会社の特徴】
- 駅から近い場所にあり、アクセス良好
- 収容台数の多い駐車場も完備
- 会館設備がホテルなみ
- サービスの選択肢が多い
- あらゆる形式・宗派の葬儀に対応
- 司会者がプロでないケースもある
- ホール葬から自宅葬までOK
- 葬儀費用はやや高め
大手の葬儀社は、都心部であっても駅から徒歩圏内にあって、参列者にとっては便利です。
また、食事室や着付け室、法要室など使用目的別に部屋を使い分けており、スタッフも多いことから、きめ細やかなサービスが期待できます。
デメリットとしては、
小規模の葬儀屋さんと比較して、多少、費用が高くなる傾向にあります。
同じ家族葬を行った場合、小さな葬儀屋さんのほうが安価かもしれません。
ただ、最近は家族葬に特化した式場もつくっているので、急激に値段も下がってきています。
まあ、いろいろなケースに
万能対応できるので、満足度は高いですね
小さな葬儀屋さんの特徴とは
最近は他業種からの新規参入組も増えていますが、多くは古くからの地元の葬儀屋さんです。
【地域の葬儀屋さん】 |
|
【中小規模の葬儀会社の特徴】
- ホール葬から自宅葬までOK
- 家族葬など、小さめの葬儀に向いている
- 葬儀形式・宗派によっては不慣れな場合がある
- 葬儀費用は大手葬儀社にくらべて低め
- 臨機応変な対応が可能
- スタッフは社長以外、外注(専門性が高い)が多い
(自社ホールについて)
小規模な葬儀屋さんの場合、自社ホールを持っていない場合もありますが、その場合、地域の公民館や集会所などを借りてのお葬式を行います。
中規模の葬儀会社であれば、地元エリアにいくつかのホール(葬儀会館)を持っていて、独自の会員制度などもあります。
そういう葬儀会社は公式ホームページを持っているので、会館設備や価格、サービスなどを前もってチェックできます。
今は少なくなっていますが、自宅ももちろんOKです
自宅だと、会場費がタダだね
小さな葬儀屋の得手・不得手とは?
自社ホールを持たない小さな葬儀屋さんでは、それぞれに(宗派的な)得手不得手があります。
得意としている分野(宗派・形式)が違うので、依頼するときには、前もっての確認が必要です。
不得手といっても、その宗派に慣れていないというだけで、決してできないわけではありません。
じゃっかん、ドタバタすることになります。
葬儀屋さんの社長がね・・・
いずれにしても、葬儀そのものは、小さな葬儀屋さんであっても、きちんとしています。
また、そうでなければ生き残れないのが、小さな葬儀屋さんです
相性のいいぴったり葬儀社の選び方
中小規模の葬儀社すべてがホームページを持っているといいのですが、そうもいきません。
1社1社に電話をかけて確認していくのも大変なので、まとめて検索するには、葬儀社を紹介するネットサービスなどを利用するのが便利です。
24時間対応のオペレーターサービスで相談することもできますし、検索フォームに希望や条件を入力して、葬儀社を探す方法もあります。
「小さなお葬式」「よりそうお葬式」など
CMでよく耳にする会社です。
そういったツールを利用することで、ある程度、情報も載っていますし、希望にあった葬儀社を選びやすくなると思います。
葬儀会館(ホール)を利用したい場合は、会館の有無を必ず確認してください。
ホームページのない小規模な葬儀屋さんで、「自社ホールあり」と書かれている場合、想像以上に狭い建物を、式場としているケースもたまにあるので、その点はしっかり確認したほうがいいですね。
組合系のお葬式とは?
組合系というのは、農協(JA)や生協(コープ)など、各種協同組合が事業の一環として提供している葬祭サービスです。
組合員なら、割安でサービスを受けられます。
特に、家業として農林水産業にたずさわっているならば、地元の結束も固いことですし、選んでみるのもいいと思います。
組合系は、少し前までは自宅や公民館などでのお葬式(自宅葬)がメインでした。
現在は、各地の協同組合によって立派な自社ホールを持っていたり、地元の葬儀社に委託する形でのお葬式となるので、ここでは、とりあえず中小規模の葬儀社に加えています。
組合系の葬儀会館(ホール)は、大手葬儀社とは違って、「車なら便利」という場所にあることが多いようです。
ホール葬を選ぶなら、アクセスを考えて選ぶことをおすすめします。
まとめ
気が動転しているときの葬儀社選びは、やはり心の負担が大きいです。
それでも、周りにいる家族や、頼れる友人などに助けてもらいながら、あわてず一つひとつ解決していってください。
亡くなった方が、普段からお葬式の希望を語っていらした場合は、できる範囲で希望どおりにしてさしあげるといいですね。
葬儀社に連絡した後は、故人のそばで、ほんの少しですが、心を休めることができますよ。
葬儀社を選ぶ手順は、次の通りです。
- 生前契約の有無(有り→そこへ連絡)
- お葬式の規模・スタイルを決める(一般葬か家族葬か)
- 葬儀費用の価格帯を決める(予算)
- 葬儀社の種類(大手か中小か、組合系か)
- ホール葬か自宅葬(公民館・集会所など)か決める
この流れです
「今すぐ葬儀屋さんを選んで連絡しなきゃ」というとき、最後まで気をもむのが、有名な大手葬儀社にするか、地元の小さな葬儀社にするか、ということです。
何がどう違うのか、じっくり調べる時間もなく、さりとて後悔したくないので、悩みに悩むようです。
何を優先するかで、選ぶ葬儀社も違ってきます。
★やや高額でも、利便性、充実したサービスを希望なら
→広域エリアの大手の葬儀会社
★そこそこ低価格な、小さな規模のお葬式を希望なら
→地域の中小の葬儀会社
急ぎの場合、非常に大ざっぱですが、このように選び分けるといいと思います。
わたしからのアドバイスとしては、下調べもなく選ぶのであれば、大手の葬儀社か、自社ホールがあってHPもある中規模の葬儀社あたりが無難で、おすすめです。
こころを強くもって、のりきってください。
良いお葬式になることを、お祈りしています。